スクール・ポリシーの策定・公表にあたり
はじめに
学校教育法施行規則・高等学校設置基準の一部改正により、スクール・ミッションを再定義し、スクール・ポリシーを「三つの方針」(グラデュエーション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)として、策定・公表することが、各高等学校に求められています。 宝仙学園中学校・高等学校(以下、本校)としては、以下の手順で、この求めに対応します。 第一に、スクール・ミッションの再定義についてです。まもなく創立100周年を迎える本校の「建学の精神」を、目指すべき学校像・期待される社会的役割を踏まえ、再定義し、策定します。策定と検証のとりまとめは、校長がおこないます。 第二に、「三つの方針」の策定についてです。スクール・ミッションの再定義のもと、本校への入学から卒業までの教育活動を一貫した体系的なものとして再構成し、策定します。策定は、主管する校務分掌責任者が取りまとめます。 第三に、公表についてです。スクール・ポリシーは公表後、試行錯誤しつつ検証する過程こそが重要であると考えています。したがって、学期ごと年度ごとに、再検討を続けていきます。検証のとりまとめは、主管する校務分掌責任者がおこないます。
2025年4月1日 校長 富士 晴英
1.スクール・ミッションの再定義
まもなく創立100周年を迎える学校法人宝仙学園は、「仏教精神を基調とした人間教 育によって品格と知性を兼ね備えた人を造る」という「建学の精神」を有しています。 この「建学の精神」をスクール・ミッションとして再定義するにあたり、「知的で開放的な広場」は本校が目指すべき学校像であり、また本校に期待される社会的役割を表すものと位置付けることができると考えています。さらに、「自己ベストの更新」を追求する姿勢は、本校が育成を目指す生徒像としてふさわしいものと考えられています。本校は、高校が共学部理数インターと女子部こども教育コースからなり、共学部は中学校も有しています。それぞれの部門の個性を生かしつつも、スクール・ミッションは共有しています。 スクール・ミッションは、本校を構成する教職員・生徒・保護者・卒業生が、共通の目的のために相互に努力する意志を形成し、確認するキーワードでもあると考えています。
2.「三つの方針」(グラデュエーション・ポリシー、カリキュラム・ポリシー、アドミッション・ポリシー)について
共学部(中学) スクールポリシー
アドミッションポリシー
- 明るく、楽しく、一生懸命に学ぶ意欲のある生徒。
- 興味関心の枠を広げ、志と伸びしろのある生徒。
- 中学校での学習を通じて、理数的思考力とコミュニケーション能力とプレゼンテーション能力を養いたいと考えている生徒。
カリキュラムポリシー
- 6年一貫教育のカリキュラムで深く学び、学力を確実に養う。
- 成長段階に応じた教育の中で成功体験を重ね自己肯定感を高める。
- グローバル教育によって英語力を磨きながら、探究的な学習やグループワークなどで主体的な学び、理数的思考力に基づくプレゼンテーション能力、コミュニケーション能力を育む。
グラデュエーションポリシー
- 何事にも興味を持ち、物事について多面的に考察することができ、学習習慣を確立することができる。
- 多様な言語表現活動を通じ、自分が考えていることや感じていることを自分の言葉で表現できる。
- グローバル教育を通じて世界に目を向けて、より高い語学力を身につけ、高い志を持つことことができる。
共学部高校スクールポリシー
アドミッションポリシー
- 理数的思考力を持ち、進学校の文化の中でグローバルな未来を目指したい生徒。
- 大学進学を視野に入れ、高度な教育を受けたいと考えている生徒。
- 国際的な舞台で活躍するために、英語力やコミュニケーション能力・プレゼンテーション力を高めたいと考えている生徒。
カリキュラムポリシー
- 大学受験に必要な高い学力を身につけ、さらに大学受験後の学びへと展開する。
- 責任と自覚をもちながら主体的に行動し、挑戦を重ねて自己肯定感を高める。
- キャリア教育を充実させ、生徒の進路選択を支援する。
グラデュエーションポリシー
- 自己を理解し、他者を受けとめ、柔軟な思考力と態度で人間的な成長を遂げる。
- 幅広い学習領域に目を向け、高いレベルで高等教育での学習・研究に必要な基礎学力を身につける。
- 学習のみならず広く社会に目を向け、世界の中で自分を位置付ける視座を持つことができる。
共学部 グローバルコース・ALコース スクールポリシー
アドミッションポリシー
グローバルコース・ALコースでは、次のような意欲をもつ児童・生徒を歓迎します。
- 英語で学ぶことに関心があり、語学力をさらに高めたいと考えている児童・生徒。
- 論理的に考え、自分の意見を伝える力を伸ばすとともに、異文化や多様な価値観を尊重できる児童・生徒。
- 国際的な視点や経験を活かし、他者と学び合いながら、周囲や社会に貢献したいという意識をもつ児童・生徒。
カリキュラムポリシー
グローバルコース・ALコースでは、世界とつながる学びを次のように展開します。
- リベラルアーツの考え方を取り入れ、文系・理系の枠を超えて学び、柔軟な思考力と豊かな教養を育てる。
- 探究型の授業を通じて、主体的に学ぶ力を養い、知識の応用力や創造的な発想を高める。
- 英語での表現活動や多文化協働を通して、実践的な言語力と国際的な視野を広げる。
グラデュエーションポリシー
グローバルコース・ALコースの卒業生は、次のような力を身につけて社会へ羽ばたきます。
- 日本語と英語の両方で自分の考えを的確に表現し、他者と協働して新たな価値を創出する力を備える。
- グローバルな視点で社会課題に向き合い、自ら考え、行動し、貢献しようとする姿勢を備える。
- 高等教育機関に対応できる学術的基盤と高度な語学力、そして持続的な成長への志を備える。
共学部医学進学コース スクールポリシー
アドミッションポリシー
- 理数分野に強い興味や関心があり、将来医学分野で活躍したいという明確な目標と、医療人としての倫理観と責任感を持つことができる生徒。
- 学びを深めるための挑戦や失敗も前向きに捉え、関連領域の知識を積極的に吸収し、志と伸びしろのある生徒。
- 多様な価値観を理解し協力できる力や信頼関係を築くための共感力やコミュニケーション能力の向上を目指す生徒
カリキュラムポリシー
- 将来医療人として他者に貢献する人間性や社会性を身につけることを目標に特別授業「医師志望論」でその素養を育む。
- 進取の精神を重んじ、特に数学教育と理科教育において高校2年次で高校範囲を修了しさらに発展的な内容を扱う。
- 英語4技能において英検準1級レベルで習得し、英語での読解力・発信力を磨き、医療に関する知見を多角的に理解・伝達できる力を育てる。
グラデュエーションポリシー
- 人として、人間と自然を慈しみ、人の気持ちを理解し思いやることのできる倫理観と正義感を持つ人。
- 人と関わることが好きで、他者との協調性をもって柔軟な思考や幅広い経験から自らを高める人。
- 自ら学び、課題を発見し、主体的に学び、日本社会や世界の出来事に常に関心をもつことのできる人。
- グローバルな視点で自らをとらえ、医療を含む世界の諸問題やその発展について柔軟に考察することのできる人。
女子部スクールポリシー
アドミッションポリシー
- 知的好奇心を持ち、知性あふれる女性になりたいと考えている生徒。
- 自立した女性として社会で活躍するために、幅広い知識と教養を身につけたいと考えている生徒。
- 豊かな感性を持ち、芸術や文化に触れることを通して、自己表現力を高めたいと考えている生徒。
カリキュラムポリシー
- 生徒一人ひとりの個性と才能を伸ばす多様な教育課程を編成。
- リベラルアーツ教育を重視し、幅広い知識と教養を育む。
- キャリア教育を充実させ、生徒の進路実現を支援。
グラデュエーションポリシー
- 幅広い知識と教養を身につけ、社会の変化に柔軟に対応できる女性として卒業。
- 自立した女性として、社会で活躍するための基礎的な能力を身につけて卒業。
- 豊かな感性と表現力を持ち、多様な価値観を尊重できる女性として卒業。