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Global Blog “Project Hosenji Temple”

2025/6/23

英語探究  “Project Hosenji Temple”

そもそも御朱印って何?
勧募とは何?
手水とは?

これは、宝仙寺に訪れるインバウト客向けのリーフレット作成の過程で出てきた生徒たちの素朴な疑問のいくつかです。
経緯は、数ヶ月前に遡ります。副住職より、本尊「五大明王総像」修復のための勧募案内ポスターの英語版作成の依頼が私にありました。
これは授業の教材になると考え、高3の生徒たちに主旨を説明しました。せっかくならばと、訪日した方に宝仙寺を知っていただくために、リーフレットの作成もすることにしました。

内容は自分たちで決めるという前提で、
・宝仙寺の歴史や文化について理解を深めること
・英語表現の実践力・表現力を高めること
・実際に宝仙寺に設置されるにふさわしいクオリティのものを制作すること
を念頭に作成に入りました。

作成の前提として、知識がないとそもそも英語にできません。
まずは、そこからです。
「へー」「そうなんだ」「初めて知った」
私たちは自分たちが思う以上に身近なことを理解してないことが多いのです。

例えば、御朱印は、説明が必要です。

Gosyuin” is a special stamp that serves as a record of your visit to the temple. It is also considered sacred, as it is said to represent an aspect of the Buddha.
どうやったら伝えるのかを考えるのも大切です。

直訳をすれば、良いわけではありません。

例えば、「鬼に金棒」をAIは、”Giving a club to an ogre.”と訳してきましたが、これだけでは、わかりません。通訳者の橋本美穂は、「意味をよく考え、それを自分の言葉で表現する」ことが大切と述べています。
“To make something powerful even more powerful” これならば、高校生でも使える表現かもしれません。


手水は、hand waterでは、伝わらないのです。A chozuya, or temizuya, is a traditional purification basin located at the entrance of Shinto shrines and Buddhist temples. Visitors use it to cleanse their hands and mouth before entering the sacred space. 
パラフレーズする力(言い換え)も養います。「つまり、どういうこと?」が言えるかということです。

ところで、三重の塔は、three-story pagodaと言います。
なぜ「階」 “story” = 物語なのかを不思議に思いませんか。
英語の story は、ラテン語 historia(物語・歴史)に由来します。この historia はギリシャ語 historein(知る、調査する)が元になっているそうです。
まだ解せないですね。もう少しさかのぼると、中世ヨーロッパの建築に秘密がありました。
昔の教会には建物の外壁や窓の上/間に宗教画や歴史の絵がありました。それぞれのフロア(階)に違う絵が描かれていたため、「この階にはこんな物語がある」というように、“story” と呼ばれるようになったそうです。

嬉しいことに、宝仙寺に実際に置かれることになり、先日奉納式を実施いたしました。

     

誰が読むかはわからないけれども、宝仙寺に納めたリーフレットを手に取った異国の人が国に帰り「これ勉強になるよ」と家族や知人に渡すかもしれないと考えると、なんだか嬉しい。

本尊「五大明王総像」の修繕が終わった際に、自分がちょっと貢献したかもと思うと、誇らしい。
そんな生徒たちの思いのこもった作品です。

宝仙寺リーフレット①

宝仙寺リーフレット②

勧募

教頭・英語科主任 對馬洋介

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