“Think Globally, Act Locally” −帰国生のためのグローバルコース
僕が入学した当時、理数インターはまだまだ新設校のイメージでした。10周年を迎えた現在、僕の母校は、人でいうなら大人びてきた印象があります。
僕は今でも進路講演会などで年数回、母校を訪れています。また、医学部志望の在校生にSNS を通じてアドバイスする機会も増えました。大学の様々な学部学科で学ぶかつての同級生とも交流を続け、高校時代と同様に切磋琢磨しています。
人が頑張れるのは、目標があるからです。僕には、奨学金を得られる医学部に入って救命救急医になるという目標がありました。しかし、目標を見つけ出していない在校生もいるはずです。そんな在校生に対して「こういう道もある」と教えることが卒業生の役割のひとつだと思います。そのためには卒業生が、在校生にとって良き手本となるように各分野で活躍しようとすることが大切ではないでしょうか。そして、理数インターを、見つけた夢がかなう広場にするために、卒業生も心をひとつにして勉学や研究に勤しんでいきたいと思っています。
大学に入る前は、教員をめざしていました。人に大きな影響を与えられる仕事だからです。こう思えたのは、理数インターですばらしい先生方に巡り会えたことが理由です。入学した頃、僕の成績はひどい上に、反骨精神にあふれていました。そんな僕を一人の国語の先生との出会いが大きく変えたのです。その先生の言葉に従って勉強したところ、努力が気持ちよく感じられたのでした。努力すれば成績が伸びていくことに、生きる喜びや実感を見い出せたのです。理数インターの先生方は、結果よりも努力をほめてくださいます。だから僕は最後まで頑張ることができたのです。上智大学の法学部に入れた今、次は司法試験にチャレンジしてみようと思っています。
アメリカの大学に行こうと思ったのは、高1の時に1年間留学しているので、経験を活かしたかったから。アリゾナ大学に決めたのは、中学生の頃から宇宙やNASAに興味があったためです。アリゾナ大学はNASAとの共同開発で有名であり、ノーベル賞受賞者も多数輩出しています。この大学の受験にはTOEFL iBTのスコア、英語の小論文の「エッセイ」、高校の成績証明書にあたるGPAなどが必要でしたが、これらの条件を満たし、合格を果たせたのです。アメリカの大学の入学は9月からです。それまで母校の理数インターでティーチング・アシスタントとして英語の授業のお手伝いをします。今の目標は大学の奨学金を得ること。将来はJAXAで働き、宇宙に携わる仕事をしたいと思っています。
業者さんと実際に交渉し、アンケートで1位のすき焼きを日替わりメニューに組み込めたり、内装のリニューアルの計画や、生徒で黒板アートも制作し装飾しました。きちんとした理由と計画があれば、生徒の力で実現できるというのは、生徒主体の理数インターの強みだと思います!
取材のネタ探し、企画作成、取材、記事の執筆までほとんど全て自分達で行います。取材はもちろん、ビジネスメールのやり取りや同じ志を持つ人達との活動は中々出来ない経験でとても刺激的です。他のメンバーの企画の取材は自分の視野を無限大に広げてくれる貴重な存在です。
“You can lead a horse to water, but you can’t make it drink.”(馬を水辺へ連れて行くことはできても、水を飲ませることはできない。)中国のことわざを借りれば、『師附領進門、修行在個人』なのです。師はあなたを入り口までは導くが、修行は自らしなくてはならない、という意味です。本校は「面倒見の良い学校」と謳っていますが、これは何も一から十まで手取り足取り面倒を見てくれる学校、という意味ではありません。間違ってもスプーンで食べ物を口まで運んでくれる学校ではないのです。お腹が空けば、自分で食べる物を探すでしょう。われわれは食べ物の在りかや見つけ方は教えますが、それを探して口に運ぶのは生徒自身です。そもそもお腹が空かなければ、その必然性すら生まれないでしょう。まずは空腹感、飢餓感を覚えることが先決なのです。理数インターでは生徒に猛烈な知的空腹感を覚えさせたいと思うのです。知的好奇心、探究心です。様々な仕掛けを用意して、生徒のやる気を刺激し、学びへの導火線に点火する「面倒見」のよさを理数インターの売りにしたいのです。ご安心ください。最初から絶食させることはありません。発達段階に応じた「ステージマップ」というメニューを用意し、段階を踏んで自主自律の精神を育てようとしているのです。これが理数インターのいう「面倒見」のよさです。
1. 主体的に計画し、総括し、バランスのよい自己評価ができること。
2. 様々な問題に対処するためのスキルを豊かにすること。
3. 自己と他者を尊ぶマインドを育てること。
私たちはこれらを身に着けて欲しいと願っています。僕らの生きるこの社会は、失敗を必要以上に恐れる空気に満ちています。だからこそ失敗を恐れずに、果敢にチャレンジし、今の自分を乗りこえて成長していくことが、満足ある生き方をする秘訣なのだと思います。あなたが自らの人生を歩き出すその背中を、私たち大人は見守っているのです。ぜひ本校の「広場」に集い、自分を成長させる機会を得て欲しいと思います。
小学校6年生~高校2年生まで私が挑戦してきた自律型ロボット競技RoboCupの目標は「2050年,二足歩行ロボットのサッカーチームが人間のワールドカップ優勝チームに勝つ」というもの。是非その場に立ち会いたいと強く思い、昨年、深層教化学習を用いて最強のサッカーロボットを作る研究に挑戦しました。
バスケットボール部では部長という役職につき、生徒会長も務め、多忙な高校生活を送りました。理数インターでの思い出は様々ですが、スタンフォード大学で行ったプレゼンテーションが特に印象に残っています。テーマは「第六感は存在するのか?」。大学の先生方に向けて簡単な実験を行い、「第六感は存在する」という結論に持っていけたのです。満ち足りた学校生活の中で、東大を意識したのは高2の時でした。友だちも先生方も力いっぱい応援してくれたことに感謝しています。富士校長先生が僕の合格をわがことのように喜んでくださったことは忘れることができません。将来の目標は、経済学部に進み、デベロッパー(開発業者)となってシンガポールの都市開発に携わることです。
新教科「理数インター」が2016年4月から新中学生に向けてスタートしました。授業は週に1時間で、中学3年間〝教科書にない学び〟をします。今、東京大学や医学部の入試問題に見られるように、自由な思考力や発想力が問われています。こうした力を磨くのです。
中1では思考の幅を広げていきます。たとえば入学してすぐにクラス全員の前で「未来の自分」を自己紹介します。自分の将来を思い巡らすことで、新しい発想を育むことが目的です。年齢だけは教員が「24歳」というように設定します。24歳なら、企業で活躍している未来もあれば、大学院で学んでいる未来もあるでしょう。起業したり留学したりしている未来もあると思います。ノーベル賞を受賞している未来もあるかもしれません。他の生徒の話を聞き、「大学院」や「起業」といった今まで知らなかった世界が見えてくる生徒もいるはずです。
中2ではプレゼンテーションの機会を増やしていきます。グループで情報や思考を共有化する方法、心に響く表現方法などを学びます。この際、活用するのがiPad などのICTツールです。
中3ではこうして培ってきた思考力をより進化、深化させていきます。たとえば、本校の食堂をさらに活性化させるにはどうすればよいか、具体的なプランをグループで練っていきます。みんなで考えた結果が、学校生活の質を向上させていくような学びを実践していきます。
本校のコンセプトは「知的で開放的な広場」です。この取り組みに卒業生や学校関係者、また地域の方々やNPOの方々も関わっていける授業にしたいと考えています。新教科「理数インター」によって、今まで以上に生徒が、勉強はもちろん行事や部活動の運営に主体的に取り組める姿勢を養ってほしいと思っています。