君たちほどさまざまな試練に見舞われている受験生を知らない。そもそも高校に入学する前から入試改革一期生と騒がれ、センター試験廃止だ、新テストだ、と世間がかまびすしいなか対応に右往左往させられ、挙げ句には昨年度の英語外部テストの頓挫である。
さあ、仕切り直しだと意気込んだ矢先に今度はこの禍災。春休みが少し長くなる、と言われ、定期試験も自宅受験。3月20日に奇跡的に学年開きをしたと思えば、自習室の開設は疎か、春合宿も中止。未だ授業再開の目処すら立っていない状況である。
この最中に受験勉強を進めなければいけない君たちへ。大変だろうが立ち止まっていては前へ進めない。したたかに生きていかなければ。責任放棄に聞こえたら不本意だが、周りを当てにしては駄目だ。自分の現状を把握し、目標までの距離を目測し、到達できる道筋をイメージできるのは自分しかいないからだ。やるべきことを淡々と進めよう。すべき準備を着々と整えるのだ。
先行きに不安がないはずがない。それでも前を向こう。できることから始めよう。我々も遠隔授業などで君たちのサポートを始める。隔靴掻痒の感は否めないが、勉強のペースメークとして役に立ちたい。そして、まずは今回の実力テストを採点し、速やかに君たちにフィードバックをする。そこから可能な支援の糸口を見つけたいと思う。
“It’s always darkest before dawn.” いまは夜明け前の漆黒だ。それでも暁に東雲を待とう。
(右田邦雄)
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