宝仙学園の中1地理は、毎日通ってくる「中野坂上」について知るところから始めます。
画面の向こうの、行ったこともないような(そしてイマイチ実感がわかない)場所について勉強するだけが、「地理」の勉強だと思って欲しくはないからです。
むしろ、研修旅行等も含め、自分の足でその地を歩く「フィールドワーク/巡検」こそを大事にしてほしいと思っています。
宝仙学園の位置する「中野坂上」は、非常に見所が多いところです。
中野坂上駅のある「中野台地」は、神田川と旧桃園川に囲まれたエリアですが、宝仙学園の裏手には旧桃園川が暗渠化された「桃園川緑道」があります。
今回の巡検では、その緑道を歩いたり、神田川にかかる「淀橋」(=ヨドバシカメラの由来となった)を渡ったりしました。
生徒らの通学路にもなっている「青梅街道」は、江戸城修築のために石灰(≒城壁の漆喰の材料)を運ぶための道として、また江戸の繁華街まで農作物を運ぶ道として、古くから重要な役割を担ってきた道です。
また、宝仙学園から、駅名の由来となっている「中野坂」を下って新宿方面に歩いて行くと、1964年の東京オリンピック・パラリンピックの際の聖火リレーのコースに行き着きます。
今回はそこまで歩くことは出来ませんでしたが、歴史の教科書の内容が、意外と近くで発見できたという生徒もいたかと思います。
(ちなみに、徳川綱吉が「生類憐みの令」を発令したことにより設けられた「犬小屋」(御犬囲)は、現在の「中野市役所」付近だとされています。機会があれば、こちらにも出かけたいですね。)
加えて、学校に隣接する「宝仙寺」と関係の深い「三重搭」や(白玉稲荷の)「鳥居」の見学にも行きました。
一学期に参拝した「宝仙寺」について、もっと興味が出てきたという生徒もいるかもしれません。
今回は約一時間半の巡検でしたが、それでも「中野坂上」を味わい尽くしたとは言えません。
実は中学3年生になると、教科「理数インター」の中で、「中野坂上探究」という取り組みを行います。
(その際は、各自でアポ取りをしたり、取材内容を考えたりしてもらう予定です。)
今回周りきれなかった場所については、そのような機会も活かしながら、楽しんでもらえればと思います。
社会科 辻本
中野坂上巡検の感想
私は中野坂上巡検を通して、今までよく知っていると思っていた宝仙学園の付近について深く知ることができました。
私は社会の環境地図作りの際に「高円寺橋跡」と書かれた場所を高円寺で見かけました。その時は暗渠であるということしかわからなかったのですが、後の中野坂上巡検にて、宝仙学園付近を流れる暗渠の桃園川が通っている場所だったと分かりました。今まで関係のないと思っていたものがつながった瞬間でした。
R.M