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#77 雨降って地固まる

2021/5/22

 通算三度目になる非常事態宣言により、連休明けに予定されていた体育祭は中止を余儀なくされました。昨年に続き、二年連続です。昨年は体育祭もアメリカ研修も、そしてその国内代替旅行すらコロナに奪われてしまった6年生(10期生)にとっては、文字通り高校生活最後の学校行事になるはずであったイベントが失われたのでした。

 学年の先生方はそれでも何とかならないかと思案し、6年生だけの体育祭を企画しました。ところが早くも梅雨入りしたかのような意地悪な天気により、その企画すら雨で流れてしまいました。いよいよ今週の木曜日(20日)が残されたラストチャンスでした。しかし、先生や生徒たちの思いを余所に、前日は朝から土砂降り。午後になり何とか雨は上がりましたが、グランドには至る所に水たまりが。(下の写真は前夜の様子)

 翌日は早朝からグランド整備です。砂を入れ、泥にまみれて地面を均す作業に生徒も加わりました。そして今にも泣きだしそうな天気のなか、午後から体育祭はスタートしました。

 一方で競技に臨む生徒たちの気合の入り方といったら。そして何より、フィールドを走る生徒たちの、まあ楽しそうな様子といったら。これまでのどんな体育祭にも引けを取らない盛り上がりに、見ていたこちらがすっかり引き込まれました。実行委員の一人、水野君はこう言っています。

 『限られた状況の中で「できない」ことを探すよりも「できる」ことを見つけ、全力で取り組む。ある意味、このコロナ禍で僕達が一番身につけることができた能力を発揮できた瞬間だったのかもしれません。これこそが「最高」と呼ぶにふさわしい体育祭の姿ではないでしょうか。』

 ざまあみろ、コロナ!この生徒たちを見ろ!

 時折小雨は落ちてきたものの前日のような大雨が降ってきたのは、競技後、片付けが全て済んだ後でした。10期の気迫と執念が勝ったのでした。

 もちろんこの数時間の盛宴が、生徒たちのこれまでの憂さを全て晴らしたわけではないでしょう。しかし、学年の先生方が贈ったエールというか、バトンを落とさぬように、この先数ヵ月のレースをしっかりと駆け抜けていって欲しいと願いました。       (『スポーツ宝仙』記者・右田邦雄)

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