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『続・今年の思い出』

2018/12/27

 前回に引き続き、スリランカ話を。

 コロンボにある公立の学校を訪れた時のことです。ここは日本でいえば小学校から高校までが一つになった「学園」です。我々が到着すると、上下真っ白な制服に身を包んだ生徒たちが出迎えてくれました。女の子は皆、長い髪を三つ編みにして、おさげにするのがスリランカのファッションのようです。代表の生徒が、持っていたキンマの葉の束を手渡してくれると、やおら足元にひざまずき、私の足先を手で触れました。これは目上の人に対するスリランカ式のおじぎで、弟子が師の足元にぬかずく、「師弟関係」を結ぶ正式な儀式だとか。

  その後、広い敷地内を案内してもらい、授業風景なども見学させていただきました。生徒たちは人懐っこく、見慣れぬ訪問客に、はにかみながら手を振ってくれました。校庭を見学していた時に、富士先生が面白いものを見つけました。白地の壁に、英語とシンハラ文字で5つの単語が並べて書かれていました。

 シンハラ文字は読めませんが、英語の単語を見ると、1. SEIRI 2. SEITON  3. SEISO ,.. と読めます。いずれも日本語の「整理、整頓、清掃」のことだとすぐにわかりました。相手の校長先生に伺うと、「日本の5S運動 (Five S Principles)ですよ。」と教えて下さいました。 

 「5S運動」は、もともとは日本企業が職場環境の維持改善のために指標としたスローガンです。それが日本企業の進出とともにひろく世界で、とくにアジアの地で広まっていることを知ったのはあとからでした。ここスリランカでは教育の現場にも浸透していることを、とても興味深く感じました。壁のスローガンは、4. SEIKETSU  5. SETHSUKE 、と続きます。「清潔」、そして最後の5つめは?

 最後の ’SETHSUKE’ が「躾(しつけ)」である、と気づくまで少し時間がかかりましたが、日本式「カイゼン」運動が世界で評価され、こんな広がりをみせていることに、少なからずカルチャーショックを覚えました。スリランカの生徒たちと5Sについて言葉を交わしながら、こんな事実も知らなかったことに一抹の恥ずかしさも感じながらも、一方では日本人として、少なからず誇らしくも思えたのでした。

(共学部高等部教頭 右田邦雄) 

 

 

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