「どうしたら、そんな風に簡単に(幾何学が)できるようになるのだ。わしにもぜひ教えて欲しい。」
「たとえ王様といえども簡単にできる方法はありません。幾何学に王道なしです。」
これは諺「学問に王道なし」の由来の一つと言われているエジプトの王様と数学者ユークリッドとの会話です。英語では“There is no royal road to learning.”と言います。ちなみに王道(royal road)とは「楽な道や近道」という意味があります。
さて、手元にある通知表と個人成績表。試験とは「理解の確認」作業です。理解とは、感情とは異なり、君たちが理解「した」と決めることができないものです。試験ならば、問題が「解けて」初めて理解と言えるのです。
「真実を告げる」は英語では“tell the truth”と言い、英語では真実は数えられません(不可算名詞)。また一つしかないものにtheをつけます。“a” white house ではただの白い家ですが、“the” White Houseとするとアメリカにある「あのホワイトハウス」になります。
君たちの試験から生まれる「真実」は一つであり、変えることはできません(点数以外の平常点も表現方法の一つです)。「嘘をつく」は、“tell a lie”と言います。aからも分かる通り、数えられる名詞です。いくらでも積み重ねることができます。でも、いかに積み上げても「真実」とはなりません。
学力とは理解である以上、近道はありません。理解は「深めて」いくもの。そして、そのために知識は「積み上げて」いくものです。英語で理解するは“understand”。語源は「下(内側)に立つ」ことです。この冬休みに学習面も含めて、謙虚に「自分」を見つめなおす良い機会にしたら良いのではないでしょうか。
中1 学年主任 對馬 洋介