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中1 Blog 第23回「満足遅延耐性」

2017/12/4

君たちにとってラグビー観戦は、どうでしたか。
様々な感想があることでしょう。
私は後半のチームとボールの無駄がそぎ落とされた同化運動の美しさの塊であるトライに魅せられました。
前にボールを進めるために後ろにボールを出すという矛盾から生まれる芸術です。
一方そのアートに見向きもしなかった人がいます。
それはグラウンドの端でアップをしている数名のメンバーです。

誤解を恐れずに言います。
メンバーは全員が「代替可能」です。
ある目的(特にチームスポーツでは顕著ですね)の元では起こりうることです。
しかしながらチームのために「最高の歯車」にならんと備えていた「選手力の高さ」、主体性は皆にはぜひ知って欲しいと思います。
「主役」は光の当て方で変わるのです。

さて、試験。
自己調教装置とも言えます。
試験に向けて時間へ の働きかけであるスケジュール管理。
身体への働きかけである机に長く座る等の行為。
精神への働きかけである集中する、考える等の鍛錬。
エネルギーいりますね。

1968年にアメリカのウォルター・ミシェルという心理学者が実施した有名なマシュマロ実験があります。
それは4歳の子どもたちの目の前に1個だけマシュマロを置きます。
さらに実験者が「15分待つことが出来ればもう1つマシュマロをあげる」と告げ、部屋を出ていくというものです。


その結果ですが、被験者の約25%が我慢できたそうです。
また追跡調査の結果では、彼ら、彼女らのSATという大学進学適性検査(日本で言えばセンター試験)のスコアが高かったのです。
自己管理に必要ないわゆる「満足遅延耐性」能力は学力と相関関係があると言えます。
黙々とアップをしていたメンバーには、準備をし続けることで手に入るマシュマロを求め、自己調教をしていたわけです。

授業の「主役」は君たちです(あくまでも我々はその手伝いをしているだけです)。
その授業で身に着けるべき学力は、過去の自分を振り返りながら、立ち止まり、前に進むことで身につくものです。
決して誰かに責任を転嫁して身に着くものではないのです。

「学校における君たちの成長」は我々の喜びであり、もう1つのマシュマロです。
喜んで君たちの「最高の歯車」を目指します。君たちは自分の「マシュマロ」を設定し、
試験に向けて取り組み、「満足遅延耐性」と「主体力」を高めることです。

君たちの人生は「代替不可能」です。

中1 学年主任 對馬 洋介

 

2017_学年通信23

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