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中1 Blog 第14回「それ、コビトさんの仕業だよ」

2017/9/13

「あれ!?いつの間に、ここ(ある場所)がきれいになっている。」そんなこと周りでたまにありませんか。実はそれはコビトさんの仕業なのです。

『正直者の靴屋の老夫婦。今では1日にたくさん靴は作れなくなり、だんだん貧しくなります。ついに1日一足作るのがやっととなり、作りかけのまま寝てしまいます。
ところが翌朝、起きてみると、不思議なことに見事な靴ができているのです。その靴は出来も良く、すぐに売れます。同じことが数日続きます。ある夜、謎を知りたい二人が工房をのぞいてみると、こびとたちがあらわれ、夫婦のために靴を作っていたことを知るのです。老夫婦は、こびとたちにお礼をしようと、彼らに新しい服と靴を作り、工房の机の上にこっそり置いておきました。その日の夜中、服と靴を見つけたこびとたちは、大喜び。』私の好きなグリム童話です。

さて、教室にゴミ(例えば、ペットボトル)が落ちています。あなたならば、どうしますか。もちろんあなたが落としたわけではありません。
「自分が捨てた」わけではないから、捨てた人が拾えば良い、それはわかります。でも、その時それを拾い、ゴミ箱へ入れることが「自分の仕事」と思うことが大切なのです。それは「みんな(誰か)」の仕事で「自分の仕事」ではないと思い、何もしないのがこどもです。パッと拾い、ゴミ箱へ入れるのが大人。
ハイキングや山登りをするとわかります。分かれ道には看板、足元には木の階段、休むための小屋。これらが劣化したら、そっと誰か別の人が直す。

このような他者への贈与が社会(学校生活)を健全にするのだと思います。自分が欲しいものがあれば、それをまず他者に贈る。そうしないと自分は何も手に入れることができないのです。
我々はコビトさんを見ることはできません。見えない贈与をするのがコビトさんの仕事であり、仕事が終わるといなくなるのが、コビトさんだからです。

皆さん、「等価交換」で物事を考える人になってはなりません。
「たくさんのコビトさん物語」が溢れる学校、素敵だと思います。

2017_学年通信_15

中1 学年主任 對馬 洋介

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