先日初めての定期試験が終わりました。答案返却日である本日、全てのテストが各生徒の手元に戻りました。どの生徒も点数に一喜一憂していました。皆様は試験後、結果を元にご家庭ではどのようなお話をしますか。
ある教え子A君の話を紹介します。あまり勉強しなかったA君の試験の点数は良くありませんでした。ところが、彼は返却された答案用紙を見ながら自宅で復習を始めました。
「今頃勉強しても無駄じゃないの? 試験は終わったんでしょ。」と姉が言うと、彼は「どこが分からないかテストで分かったから勉強している」と答えたのです。
学校の定期試験は何のためにあるのか。
そう問われれば、誰もが「どれだけ学習内容が身についたかを本人が知るため」と答えるでしょう。しかし、保護者も本人を含む多くの人の関心は「何点だったか」だけに集まっているのではないでしょうか。
実は、欠けてしまった点〈間違えた箇所〉に注目すべきです。それは今後の学習において絶対に欠かせない点〈身に着けるべき箇所〉だからです。これをないがしろにしていないでしょうか。
もちろん、試験前には試験に向けて、それまで学習した内容について、十分確認の学習をしてほしいですし、受けた試験の点数も気にしてほしいです。
しかし、本当に定期試験を意味あるものにするには、まずは「授業・準備(試験勉強)」を大切にする。
そして、試験後は「同じ問題に出会った時には、今度は絶対に間違えないようにする。」
これが大切なのです。受験勉強をしてきた生徒にとっては、当たり前のことをこれからも自主的に続けられる生徒が「伸びる生徒」です。
ちなみに先程のA君の成績は着実に上がっていきました。
テストは「後始末」が大切です。
(1) 何ができたか、何が分かっていなかったかを知る。
(2) 学習計画がうまくいったか、どうすればもっとよかったかを知る(スタレポを見直そう)。
(3) 自分に合った学習の方法や覚えるコツを身につける。
(4) テスト問題と解答用紙・模範解答はきちんと保管し、できなかった問題を復習する。
(5) 友だちの学習方法を聞いて、真似してみる。
さて、試験中の休み時間や試験後にロッカーや机の上に置きっ放しの試験問題があったことを私は目にしました。
「授業を聞き、ノートにまとめ、テスト前には学習計画を立て、入念に準備する。真剣に試験を受け、結果を受け止め、復習する」のが、「定期試験」です。
「3年分の試験問題を全て保管」し、復習を繰り返せば、「3年間の総仕上げ問題集」の出来上がりです。
教室で見かけたあの試験問題は誰のものなのだろう?
中1 学年主任 對馬 洋介