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第21回 理数インターのグローバル「地中海の騎士団の島で」

2017/4/1

先日、地中海に浮かぶマルタという国を訪れました。イタリア半島のつま先で蹴飛ばされたように見えるシチリア島のすぐ南に位置する小国です。近年、ヨーロッパ中から英語を学びに来る生徒が絶えない、語学研修で注目されている国でもあります。視察に訪れて感じたことは、地中海の海の青さと中世の建物がそのまま残された魅力的な街並み、自然の豊かさと住んでいる人たちの素朴さでした。

 

 有史以前からフェニキア人にローマ人、中世にはイスラム世界とキリスト世界の覇権争いの場となった重層的な歴史がこの国にはあります。有名なマルタ騎士団は、もともと小アジアのロードス島からオスマン・トルコに追われた聖ヨハネ騎士団がこの島に流れ着いたものでした。オスマン帝国と再度相見え、これを撃退した後しばらくして今度はナポレオン・ボナパルトに占拠されます。ナポレオン衰退後はイギリスの支配下に置かれ、ヨーロッパと中東、北アフリカを結ぶ地中海の東西南北の交通の要所ゆえに、この国は常に大国の狭間で揺れ動いてきたのでした。

 

 いまもそんな文化の多様性は保たれています。イギリスの影響下にあったために英語を公用語とし、欧州からの移住者も多く、またアラブの香りも漂います。ヤルタ会談から始まった東西冷戦がベルリンの壁崩壊後にこの地を舞台としたマルタ会談で事実上終結し、「ヤルタからマルタへ」というキャッチフレーズを生んだのも、この国の持つ歴史的、地理的条件から来る文化的多様性ゆえだったのでしょう。

 

 このマルタに、毎年夏にはヨーロッパ中の非英語圏の国から生徒たちが英語を学びに訪れます。ロシア、ポーランド、ハンガリー、ドイツ、イタリア、スペイン…。日本人は全体の3%にも満たない数だそうです。文化的多様性溢れるマルタで、英語を母国語としない同年代の友達とルームシェアをしながら、午前中は英語のクラス、午後や週末は豊かな自然を体験できるアクティビティを満喫するような夏休みの研修ができれば、と現在検討中です。詳しくは今月の保護者会でお話しさせていただきます。乞うご期待ください。

 

共学部高校 教頭・右田邦雄

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