というタイトルのブックレビュー紙が、本校にはある。
3年前に、金子忠央教諭が、図書委員長になったときに、創り出した企画である。
6年生の担任になっても、この企画を続ける意志を継続し、その意気に感じて、女子部の教員や職員も含めて、お気に入りの本の紹介を寄稿している。
忙しい金子さんに代わって、この企画をblogで紹介したいというと、コメントをくれた。
「紹介してくださっている先生方はすべて自らの意志によるものであり、決して『当番制』などではない」ということが伝わればいいな、と思います。
とのこと。
図書館司書の星川さんによれば、図書室に来る生徒たちは、この「筆まかせ」の刊行を楽しみにしてくれているとのこと。
続けていきましょう。本と対話する少年少女のために。
以下のごとき、私の、どうかと思うレビューでも掲載を許してもらえる読書文化は、学校のなかに必要だと、私は思っています。
井出英策、宇野重規、坂井豊貴、松沢裕作『大人のための社会科 — 未来を語るために』(有斐閣 2017年)
日本の本には、帯と呼ばれる、簡にして要を得た宣伝文字の躍る、巻いた紙がついている。本書の帯に記されているのは、「ぐずぐず言わずに考えろ!」である。一見して、当惑。気を落ち着かせて、こみあげてくるおかしさ。
普通は、「ぐずぐず言わずに~」に続くのは、「早くやれ!」とか「さっさと働け!」とかではなかろうか。そこを、「考えろ!」とは!!面白い。
本書では、「希望」とは、「まだない」ものである、という解釈が紹介されている。それなら私は、希望をたくさん持っている!という解釈も可能ですね。
校長 富士晴英