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#76 ワクチンツーリズム

2021/5/19

 『ワクチンツーリズム』という用語がここ数週間で頻繁にニュースに登場するようになりました。ワクチン先進国のアメリカなどが、観光客にもその機会を提供しようとする試みですが、早い話、ワクチンをエサに観光客を呼び戻そうというものです。

 ニューヨーク市では、海外からの観光客を対象に無料のワクチン接種の機会を提供し、注射をした人には地下鉄の無料パスや美術館の入場券、はたまたメジャーリーグの観戦チケットまでがプレゼントされるそうです。これを目当てに中・南米諸国やアジアの富裕層がワクチンツアーに殺到していると報じられています。持たざる国の庶民にはここでも経済格差が待っているのです。

 一方、そのニューヨーク州ではワクチン接種率が6割を超え、市内の地下鉄が24時間運転を再開しました。今日からは新型コロナウイルスの規制の大半が解除され、飲食店やオフィス、小売店、劇場、美術館、遊園地、ジムは人数制限を設けず、全面的な営業が許可されます。コロナで失われた日常生活の長い長いトンネルの向こうに、やっと一筋の光明が射してきた、そんな気にさせてくれるニュースです。

 そうなると、気になるのは来年度のアメリカ研修をはじめとする海外研修の実施の目途です。個人旅行とは違い、団体での移動となると軽々な判断はできません。少なくとも受け入れる国や街が日常を取り戻して一定の時間が経過していることが実施検討条件の一つになると思います。一部の観光地では観光客の受け入れを開始したとしても、企業や大学は慎重に経過観察を行いますし、とくに関係者以外の受け入れに関しては厳しい制限が続くと思われます。スタンフォード大学を例にとれば、4段階 (Stage 0~3)の現状回帰ステージを設定しており、現在はStage 2となっています。もう一段階進みStage 3になると、やっと「学内でのsmall eventsの許可」段階だそうです。

毎年この時期には高校2年生がアメリカ研修の準備の大詰めを迎えているのですが、従来のように来年の6月にスタンフォードを訪れるとすれば、少なくとも半年前の今年の終わりまでにはStage 3まで回復している必要があるということです。   (研修旅行担当:右田邦雄)

 

 

 

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