正門に弔旗が掲げられています。
「あれから10年ですね…」
と、早朝、「正門の番人」の警備員さんに、話しかけると、「その時は、どうでしたか?」
と、問われました。
記憶が、よみがえります…
理数インターでいえば、1期生が、まだ高校1年生の時期でした。
わたしは、出張先から、徒歩で帰校しました。
携帯が通じない。地面が揺れる。まっすぐ歩けない…
学校には、まだたくさんの生徒が残っていて、結局、140人強の生徒たちと、わたしたち教職員は、3月11日の夜を過ごしました。よなか中、生徒たちをピックアップする保護者のかたがたが来校しつづけました。
夕食は、非常食。
でも、二食続けては、正直、生徒たちがかわいそうなので、青梅街道の24時間営業店巡りをおこないました。
おにぎりとサンドイッチは数がそろわず、菓子パンも食パンも、柔らかそうなものは、目につくかぎり、かごに入れました。
最後の生徒を送り届けたのが、12日の13時過ぎでした。
おかげさまで、本校生徒の健康には異常はありませんでした。
しかし。
災害にたいする危機管理意識も、平時から大切にしなければならないことを、あらためて、弔旗を見て、感じた次第です。
校長 富士晴英