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#57 歓迎光臨(欢迎光临)

2020/10/14

 本来ならば今年の4月に新入生として高等部に迎えることになっていた中国からの留学生4人が、未だ来日できないでいる。

 田村謙太先生はじめとする4学年団は、1学期の早い段階から留学生たちとのオンライン交流を始めた。『日本に来られない不安を何とか解消できないかと思って』(田村先生)、中国の青島、武漢、上海、杭州にいる4人たちと学年の先生方が週に1回、Zoomを通して様々な情報交換をする。最初は自分たちの住む町の紹介であったり、どんな食事をしているのか、どんな本やゲームが好きなのか、といった身近な話題からスタートした。關龍之介先生(保健体育)は懸命に「冷やし中華」の説明をし、日本の夏の風物詩を語った。

 留学生たちの日本語が回を追うごとに上達していくのも驚きだったが、彼らの話から垣間見られる中国の日常生活の様子が新鮮で、楽しい。紹介された食卓を彩る食事から家族の暖かさが感じられ、日本のアニメのことを喜んで話す姿がほほえましい。圧巻だったのは、武漢に住む留学生がドローンを使って街の様子を動画配信したとき。そこに映し出された近代的な街並みは,再三ニュースで我々が目にしたあの武漢の街並みとは一味も、二味も違ったもので、だれもが驚きの声をあげた。

 回を重ねるごとに4人の個性も分かるようになり、話し合われる内容も多岐に渡るようになった。二学期からは4年生の生徒もその場に加わるようになり、雑談に花が咲いた。それでも、いつになったらこんな彼らを迎える日が来るのだろう、と先の見えないトンネルを悲観したこともあったが、毎週の交流会は途切れることがなかった。

 そんな彼らから二週間前にうれしい知らせが伝えられた。『ぼくたち、来月には日本に行けるようになりました。』待ちに待った留学生への門戸開放である。ついに入国制限措置が緩和されることになった。二週間の隔離期間はあるものの、いよいよ留学生たちとの対面の日が近づいてきた。4人に初めて会えたら、まず冷やし中華を食べに連れて行こう。ちょっと季節外れになっちゃったけど。             (英語科・右田邦雄)

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