最新情報

第178回生徒blog 「時間がないんだ青春は。」

2020/7/3

選挙は18歳からに引き下げられ、高校生が議会に意見を投じることが多くなった。
若者の意見は必要とされているが投票率は右肩下がりである。

これは『主権者教育』が足りていないことが原因だと言われる。
未来選挙権を得る私たちに必要な『主権者教育』を学ぶため、立場を示し意見を発表する教育ツールとして、この討論会を設けた。

今回の討論会の司会進行役M.Tさんが以下のような振り返りと総評をしてくれた。(有志の会 H.H)

 

—————————————-

 私が中学2年生のとき、国語の授業で講師の先生がふとこんなことを言っていた。

『時間がないんだ青春は。』

先日再び耳にする機会があったので調べてみると、どうやら1979年に行われた角川文庫の100冊を薦めるキャンペーンのキャッチフレーズらしい。
学生という限りのある時間の中で、本を通して色々な世界と出会ってほしいという想いの詰まったキャッチフレーズだが、本を抜きにしても随分と的を射た言葉である。

 大阪府の高校生が、次々と奪われる日常や行事を嘆き、9月入学・始業の署名活動を始めた。
それに乗じて、先週2回目となる9月入学・始業の是非についての討論会を行った。
以前の討論会では担任が企画しAB組のみでの話し合いだったが、今回は生徒が企画しクラス関係なく有志だけでの話し合い。たくさんの濃い意見が飛び交った。
「奪われてしまった時間は大きいので、9月入学にしてほしい」という切実な願いから、「施行するのであれば、今年が良い。
ダラダラと続けて政権交代した際に混乱してうやむやになってしまいそうだから。」といった政治的な観点からの意見。
さらには、「国際化というメリットを掲げているが、ことの発端は学生のやりきれない思いである。
そこに重きを置いてほしい。」といった論点に対する主張も見られた。約1時間ほどの討論の末、投票結果は賛成に100%という満場一致での9月入学及び始業に希望となった。
しかし、これは今年度においてという区切りの中での話である。
スパンを長くした場合、という選択肢があればまた結果も変わってきたかもしれない。投票後、討論会の感想をそれぞれに聞いて見ると、1人がこんなことを言っていた。
「私たちの時間は今しかない。だからこのような話題をみんなと話せたのはとても良い機会でした。」

高校生というたった3年の期限付きの時間のなかで、作れる思い出には限りがあるのに。
次々と行事が潰れ、悲しさと悔しさとやりきれない思いで胸がいっぱいになった学生は如何程か。
もちろん私もその中の1人である。
色々と考えたが、やっぱりこの文章はこの言葉で締めるに限る。

時間がないんだ青春は。

共学部 5年 M.T

Return to Top ▲Return to Top ▲