みんな?自分らしく過ごしているかい?
経験や失敗や年齢とともに、面白い本は、変わります。
わたしは、宮城県生まれ。
大学から東京に住んでいます。
こちらのほうが、長くなりました。
東京は、全国区。
いろいろな地方から集まってきます。
全国各地から上京した同級生たちとの対話は、新鮮でした。
イントネーションの違いが、面白かった。
ところが、お里は、隠せません。
あるとき、大学の同級生との問答で、Yesという文脈で、「んだんだ。」と言って、「富士くんは、東北の人?」と言われたことを、覚えています。
ばれたか?と思い、恥ずかしかったことを、今は、恥ずかしく思います。
それは、わたしの出身地の香りだったのですから。誇りに思うべきだったのです。
さて、面白い本を読みました。
〇小林隆 澤村美幸『ものの言いかた西東』(岩波新書 2014年)
特に関西圏と東北圏の言いかたの違いを、日本の多様性のポイントにあげています。
喧嘩のはじまりの瞬間の違いは…
M県「なんぞ文句あるんか」K府・N県・S県「なんか文句あんのか」O府「なんやねん、おまえ、なんか文句あるんか」H県「なんどぇ文句あんのか」W県「なんど文句あんのかえ」。
共通の文化圏なんでしょうね。
共通の型があります。
さて、わが東北をご覧あれ。
A県「おめ、なんだもんだば」I県「うな、何しゃべってんのやっ」M県「何語る。この野郎」A県「なにや、んが」Y県「なんだず」F県「なんだ、この野郎」。
文化圏が、実は、違う。よく言えば、多様。
互換性が危ぶまれる…
具体的な史料や統計を解析しながら、日本の西と東の比較文化論を論じるという手法です。
この本を読んで、わたしは、単純さや主観的なもの言いの東北圏の出身であり、簡単には互換性を獲得できないということを、自覚しました。
同時に、複雑で客観的で合理的なものの言い方で、ひろく互換性を持つ関西圏の出身のかたから、学ぶべきものがあると思いました。
まずは、ボケとツッコミとか。ですかね。
追伸 この仕事は、客観的には、方言学という学問になるのでしょうが、その魅力は、イメージしやすい専門用語にもあると、思いました。「共感の強要」、「当事者離れ」、「受益性」、「授益性」などです。どれが関西でどれが東北か、わかりますか?
校長 富士晴英