みんな?自分らしく過ごしているかい?
第5号は、「『食』特集」です。
わたし自身は、食べることが好きですが、つくるほうの努力は不足しています。
だからこそ(?)おいしい料理をつくれる人は、素敵だと思います。
〇松本仲子「調理科学のなぜ?」(朝日新聞出版 2017年)
おいしい料理が誕生する「ひと手間」は、サイエンスである。
料理の手順を明示し、その手順でつくった時と、そうでない残念な時の違いを、写真をとおして際立たせるという、この本のつくりは、なんてわかりやすんでしょう!
ひとつふたつ、紹介します。
まず、わたしのすきなポテトサラダ。
「ひと晩水にさらすと、煮崩れしないがホクホクもしない」と「水に浸してさっと洗うと、ホクホクして甘みがある」。
これも好きな煮豆。
「乾燥したまま煮ると、皮が破け身は割れてかたい」という、惨状に比し、「水戻しして煮ると、ふっくらやわらかくなる」。ああ、よかった…
〇季刊『うかたま』(農文協)
季刊って、春夏秋冬、季節ごとに刊行される雑誌という意味ですが、それはつまり、季節が4つあるという前提のお国柄でないと、そういう定期刊行物は、ないということなのか…。
または、クオーター制みたいな感じで、要するに年4回出すという業界の慣習があるのか…。
わたしには、わかりませんが、農業にとっては、季刊という設定は、似合っているような気がします。
この雑誌の魅力は、表紙に必ず登場する「赤ずきんちゃん」です。それから、「いーからん人生相談」。
群馬県片品の方言で、いい加減という意味だそうな。
おんとし93歳の「カヲル婆さん」が「ゆる~く辛口に」答えるコーナー。去年、単行本になったとのこと。すみません、まだ読んでない。
それと、もうひとつすみません。
「食」の話をしてないね。この書評…
〇藤原辰史『給食の歴史』(岩波新書 2018年)
学校給食とは、要するに、生徒たちが同じものを同じ時間に同じ場所で食べ、みんなで準備し片づける昼食行動ですが、これは、少なくても一定年齢のときには、教育効果を上げることができる「学校行事」だろうなと、わたしは思います。
もちろん、欠食児童とか、「こども食堂」とか、昔も今も、こどもの食と生存に関わる問題は存在しており、また、子どもたちに給食の時間を楽しく過ごしてもらえるような配慮が、現場や社会には求められています。
私は、本校の多くの生徒と同じで、小学校のときに給食を経験しました。
脱脂粉乳や先割れスプーン等、セピア色の思い出が懐かしい箇所もありますが、いくつもの観点から著されたこの『給食の歴史』は、今の教育を考えるうえでも、重要なメッセージがたくさん入っています。
校長 富士晴英