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中学生Blog no.10 「パワーの源」

2019/4/12

 電車の最後尾に乗る。
ふと、その計器を眺めていると速度計以外に「A」と書いてある速度計によく似た計器を発見。発車する時には、その針は上がり続け、速度が一定になると0まで下がる。そして、次の駅に停まる時にはまた少し上がり、停車すると0に。気になり、調べみるとどうやらそれは電流計というらしい。Aは電流の単位Ampereの頭文字ということだ。電車は動き出すのに、たくさんの電気を使い、その後は「惰性」で進んでいくということである。私たちの安全のために、持てる力を無駄なく利用した上で、徹底したルーティンワークを繰り返す。こういう「惰性」の利用方法は実に素晴らしいと思う。

 人は、ついつい楽なほう、楽なほうに流されていく。「あーめんどくさい。」「ま、いっか。」私もその一人だ。惰性で動くのはとても楽なのだ。だって考えなくても良いから。当然ながら、これは負の惰性である。バベルの塔をご存知の人も多いだろう。人間が天まで届く塔を作ろうとし、神の逆鱗に触れたという話だ。怒りを買った理由は塔の建設そのものではなく、ろくに議論もせず、人々が安易に塔の建設に賛同したからである(諸説有)。そして同時に統一されていた言語はバラバラになり、この世は多言語になったという話である。思考停止はいけないということだ。
思い出して欲しい。

 

電車の惰性は無限で使えるわけではなく、必ず終わりがくる。そして電車は動き出すときと止まるときに一番パワーを使うのだ。同様に人も何かを始めるときや踏ん張るときに「惰性」は使えないのである。パワーは与えられるものではなく、自ら生み出すものなのである。そして初めてそのパワーを持続して使えるのである。

 プチ変化はプチ惰性=少しの変化を生むだけだから安定はあまりしない。もちろん持続性も低い。しかし逆は劇的な変化を生み、かつ結果として安定も得ることができるだろう。帳尻は合うようになっているのである。だが、大切なのは変化の大小ではなく、その源となる「問いを立てること」である。これがあれば、人は間違いなく成長すると思う。

総務部長 對馬 洋介

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