羽田からバンコク経由でオークランドへ。
空港に着けば、そこには“Kia ora. Aotearoa(意味はWelcome to New Zealand).”の文字が。
ニュージーランドの公用語の1つでもあるマオリ語が英語と共に出迎えてくれました。
同国は、面積は日本の約4分の3、人口約476万人(2017年3月外務省統計局)、そして羊の数は人口の約7倍もいると言われています。
その北島のあるオークランドにて7月28日~8月10日の2週間、生徒はホームステイをしながら、
アリフリストン・カレッジという現地の学校にて語学研修と異文化体験研修を実施しました。
参加した20名は生徒(中1:3名、中2:10名、中3:3名、高1:4名)でした。
日本を離れ、親元を離れ、見知らぬ環境に自分を置くことは人にとっては「飛躍」のチャンスです。
なぜならば、日々が新しい刺激であるため、「五感」が鋭くなるからです。
また、日頃考えない自分では「当たり前」と認識していることが本当にそうなのだろうか、と考えるようになるからです。
例えば、「耳」。
数名の生徒から現地で同じ質問を受けました。
それは「会話によく『トゥダァイ』という単語が出てきますが、どういう意味ですか。」というものでした。
綴りにしたらtodayです。なるほど、発音が違うのか、アルファベットのaの発音が日頃学校で聞く「エイ」ではなく、
こちらでは「アイ」となることもある、これも「英語」だと知るのです。
他にも「味」。
同国は日本同様、水道水が飲める世界でも数少ない国でもあるのです。
そのため、現地では水道から水をコップに入れて「はい、どうぞ」は普通です。すると「水の味が違う」と生徒が言います。
気になった私も現地の方に聞いたところ、実はニュージーランドの水道水にはフッ素が入っているそうです。そのため、虫歯になりにくいとのこと。
冒頭で、人口より羊が多い国と紹介しました。
生徒たちは中学1年生時に、sheepは単数形も複数形もsheepと習います。どうして単複同形なのでしょう。
この国に行けば、わかります。
そこら中で数えられないくらいの羊が目に入ります。まとめて“sheep”を「目」で理解できます。
“Powhiri(ポーフィリ)”というマオリ語で行われる歓迎の儀式でお互いの鼻と鼻をくっつける“Hongi(ホンギ)”と呼ばれるマオリの挨拶もありました。
相手が敵ではないと「嗅」ぎわけた後に行われ、相手を受け入れるのです。マオリ語では、文字通りには「空気を共有、交換する」という意味だそうです。
正直、ホームステイ先での暮らしや現地校の学校生活で「肌」感覚で馴染まないものも彼らにはあったかもしれません。
でも、その不便さや違和感すらもこの研修の醍醐味でもあるのです。五感の「退化」を防いでくれます。
「何かを知れば知るほど自分は何も知らない人である」と頭だけではなく、体でも感じることができた時に人は成長すると私は思います。
総務部長 對馬洋介