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#39『南の島の開放的な学校』

2018/8/29

 今回訪れたニュージーランドの南島、その北端のマールボロ地区(グローバルコラム参照)はワインの産地としても有名です。とりわけBlenheim(ブレナム)という町は、the sunniest city in NZ(最も日照時間の多い町)といわれ、冷淡な海風、水はけのよい肥沃な土壌とワイン造りの好条件が揃っています。広大な平野にワイン畑が連なり、その中を羊が草を食んでいる姿が車窓に続き、差詰め日本でいえば、米どころ、酒どころの新潟・魚沼地区といったところでしょうか。

 そのブレナムの高校を訪れたときのこと。校長先生自らが校内を案内して下さりました。NZの学校の誇りはやはりラグビー。廊下には歴代のラグビー部の写真がずらりと並びます。

その中の一枚に校長先生の指が止りました。

写真の下には、James Whitinui Josephという名前。『君の国のコーチだろ。』と校長先生。ジェイミー・ジョセフ。ここは現日本代表ヘッドコーチの母校でもあったのです。

 一通り学校見学が済むと校長室へ案内され、気さくな校長としばし雑談。『ブレナムの誇れるものはラグビーだけではないのですよ。』と言って立ち上がった先生は隣の部屋の冷蔵庫から、冷えた白ワインのボトルを手に持ってきました。『さあ、どうしますか?』

 このあと、校長先生とは夕食もご一緒させていただきました。『来年の日本での(ラグビー)ワールドカップのチケットはもう買ってあるんだ。準決勝と決勝の分もね。決勝はオールブラックスとジェイミーのチームだろ?』

 陽気な校長先生は食事のあとも、『もう一軒付き合うかい?』と、隣のバーへ直行。そこでバーテンをしていたのは、なんと校長先生の高校の現役高校生。こちらでは高校生が最終学年になると、社会経験を積むためにアルバイトをするのは一般的だとか。それにしても校長が教え子からお酒を注がれ、談笑している姿を見て、明るく開放的な学校は他所にもあったんだ、と実感。

 この夜、2つのKiwi slang(NZ英語の俗語表現)を覚えました。ひとつは’skull’。いわゆる「一気飲み」です。もうひとつは ‘roada/roader’。音を聞いただけでスペリングがあやしいのですが、何度も校長先生が口にしていた表現です。’You want roada?’ / ‘You want to go roader?’ 「もう一軒付き合うか?」という意味です。

 どこの国にも、酒好きな(ちょっと迷惑な)校長はいるものだ、と実感した次第です。

共学部・高等部教頭 右田邦雄

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