皆さんは、“研究”という言葉を聞くと、どんな印象を受けるでしょうか。
人々の命を助け、またその人生を明るいものにする医療。
空に夢を見、フロンティア精神を胸にロケットを飛ばす宇宙開発。
いままでは想像もできなかったような、社会の新しい形を実感させるAI。
私たちの未来を切り開く研究はいつも格好よく、偉大で壮大です。
誰かに部活のことを聞かれ、「自然科学研究部で生物の研究などをしています。」と答えるとその誰かは必ず「すごーい!」と返します。
私はそれに違和感を覚えていました。恐らく、その人が思っているほど“すごい”研究はしていないのです。
私たちは、ごくごく身近な宝仙寺の池のカエルを対象に、研究していました。
初めてサイエンスキャッスルのパンフレットを見たとき、皆さんの研究の壮大なテーマに圧巻され、また焦りを感じたのを覚えています。
「同じ高校生でも、こんなに遠いものが見えている。」「こんなことを研究して、何になるのか。何に繋がるのか」
それでも、応募をしてしまったものは仕方がないという思いで研究を続け、一つの発表にまとめました。
そして発表当日。不安で、少し寝不足でした。ポスターを貼るとき、手が震えて画鋲が上手く刺せませんでした。
そしていよいよ始まったサイエンスキャッスル。
馬鹿にされるだろうか。誰も聞いてくれないのではないだろうか。少し怖かったです。
でも、案外皆さん足を止めて、私たちの発表を聞いてくださったのです。
私たちの発表を否定することなく、アドバイスをたくさんくださいました。
その中、とある方が「面白い研究ですね。都会での自然保護という点でも、視野を広げてみると良いかもしれませんよ。」と、おっしゃってくださいました。
とても驚きました。私たちの研究から“都会での自然保護”という大きな話が生まれるとは思いもしなかったのです。
そのあと研究メンバーと話したとき、一人が「何のために研究する、というより私たちの研究を何に繋げられるのか、なのかもね。」と言っていたのが印象に残っています。
私はその言葉で自分たちの研究に少し自信を持てるようになりました。
遠いものを“探す”研究も格好良いけど、近いものから“繋げる”研究も、案外良いのかも、と。
皆さんも身近なものを観察してみると新しい発見ができると思います。
また、その発見がいずれ未来を切り開く道になるのかもしれません。
今回、サイエンスキャッスルで自分たちの研究を発表し、
さまざまな新しい視点からの意見に触れたことで改善点も見つかり、自分たちの研究に自信を持つことができました。
皆で協力し、研究を続けられて良かったと思っています。
また、指導してくださった先生や調査に協力してくださった宝仙寺の皆様、沢山のサポートがなければこのような結果は出せませんでした。
その感謝を忘れずに、これからも頑張っていきたいです。本当にありがとうございました。
I・Sさん、I・Cさん、S・Mさん、R・Sさん
私は今回、サイエンスキャッスル関東大会に出るにあたって、今までの人生で、初めて「根性」というものを出しました。
大会前の不眠不休のポスター作り、恥をかいた大会直前のプレゼン。精神的に辛くなった時もありました。
しかし大会本番での発表はうまくいき、達成感に身を包まれました。
残念ながら賞を取ることはできませんでしたが、とても大事なことを学ぶことができたと思います。
この経験は僕にとって一生忘れられない宝物となりました。
これを読んでいる方々も、一度何か、大きな物に取り組んでみてください。「根性」とは何か、その時に分かると思います。
M・Mくん
12月23日(土)に行われた『サイエンスキャッスル2017 関東大会』にて,5年生の4人が優秀ポスター賞を受賞しました。
発表演題は『3種のカエルの生存戦略』で宝仙寺の池に住むカエル達を研究したものです。
この数週間遅くまで残って準備してきた生徒の努力が報われて本当に良かったと思います。
ポスターの1位が最優秀賞なので,順位としては関東2位(108演題中)の結果になります。
今回賞を獲った4名のうち2名は文系選択者ということもあり,学校の掲げる理数的思考力を文系理系問わず,養ってきた結果かと思います。
また,惜しくも賞は獲得出来なかったMくんも,プラナリアを題材に精一杯頑張り,一般来場者の人気投票では3位の結果でした。
5年生の4人はそこでも2位の人気をとりました。
M君自身も『人生の中で一番頑張ったかもしれない』と言っており,良い意味で悔しさを噛みしめていました。
1日の中ですばらしい成長が出来たと思います。(谷戸 崇先生)
《サイエンスキャッスルについて》
サイエンスキャッスルは,全国から研究好きの中高生が集まる学会です。
自ら実験した内容をポスターなどの形にまとめ発表しています。
毎年,12月に九州大会,東北大会,関西大会,関東大会の4つに分かれて行われているものです。
今年の関東大会では,口頭発表12演題,ポスター発表108演題で行われました。
例年に比べて募集が多く,中には事前にポスター発表の大会に落選してしまうところもありました。
ポスター発表では,最優秀ポスター賞,優秀ポスター賞,ポスター特別賞の3つの賞があり,
その中で今回,本校は優秀ポスター賞を獲得しました。