前回(4月1日)の題字。
芸術的な書でした。
この書は、山岸望雲先生によるものです。
山岸先生が、「富士先生。なにか書いてほしいものはありますか」
と、いつもの微笑みで、話しかけてくださったのが、今年のはじめ。
私は、無遠慮に、この言葉を、お願いしてしまいました。
「9文字か…」
先生が静かにつぶやきます。
こういうときは、話しかけられない、厳かさを感じます…
「いくつか、書いてくるから、そこから選んでください」
そして、3月に、山岸先生が学校にいらっしゃったときに、お持ちいただいた作品群が、こちらです。
軽快さや簡潔さを感じた書体を、1日には、選ばせていただきました。
内面性を感じさせる書体、複雑さや陰影を感じさせる書体には、圧倒されてしまいました。
ところで、山岸先生とは、宝仙学園の教頭先生を長くお務めになった方であり、国会議員の名札をお書きになられてもいる書道家です。
若い教員だったときは、常に励まされていました。
調子にのりすぎたときには、たしなめられたときも、あったような…
山岸先生。
先生がしたためてくださった「知的で開放的な広場」。
ありがとうございます。
誇らしく思います。
宝仙学園中学・高等学校 校長 富士晴英